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小島三郎記念文化賞・研究助成金

2019年度

 第55回小島三郎記念文化賞並びに第27回研究助成金の贈呈式が令和元年10月25日(金)午前11時より、東京會舘(東京千代田区)において開催されました。

 小島三郎記念文化賞の受賞者は、国立感染症研究所ウイルス第三部部長 竹田誠氏で、受賞のテーマは「急性呼吸器感染症ウイルスの病原性発現ならびに制御に関する研究」です。氏が開発した野生型麻疹ウイルスの遺伝子組み換え系の技術は世界で高く評価され、広く活用されています。その後、麻疹ウイルスの強い伝染性の分子機構を詳細に解析し、最近、麻疹ウイルスRNA合成のための宿主因子を世界に先駆けて報告されています。さらに、インフルエンザウイルス、SARSコロナウイルス、MERSコロナウイルスなどの重大な急性呼吸器感染症ウイルスを生体内で活性化する酵素が、呼吸器上皮に発現している膜貫通型セリンプロテアーゼTMPRSS2であるということを発見しました。この成果は新薬の開発への応用が期待されています。また、日本が世界保健機関から麻疹の排除認定を受ける上でも多大な貢献をされました。これらの業績が高く評価され受賞の対象になりました。

 贈呈式は、本財団渡邉治雄理事長の開会の挨拶で始まり、続いて同理事長により小島三郎記念文化賞の選考経過が報告されました。
 今回推薦された小島三郎記念文化賞候補の業績は、何れも極めてレベルの高いものであり、厳正審査の結果、竹田誠氏を受賞者に決定した旨の選考経過報告があり、同氏に賞状と記念トロフィー、副賞が贈呈されました。



贈呈式風景
また、竹田氏を推薦された国立感染症研究所元所長で名誉所員の倉田毅氏より推薦のお言葉をいただき、同氏の業績を紹介していただきました。

研究助成金の選考経過については、選考委員長である本財団宮地勇人理事より、申請応募件数199件に対する選考委員会での審査・選考にて、厳正審査の結果、特に優れた16名に決定された旨を報告した後、渡邉理事長より研究助成金が総額1,520万円贈呈されました。 

渡邉治雄理事長 挨拶

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小島三郎記念文化賞受賞者

  小島三郎記念文化賞を受賞された竹田誠氏より、「栄誉ある小島三郎記念文化賞をいただき身に余る光栄である。これまでに受賞された先生のお名前・研究業績を改めて拝見するとうれしさよりも大変身の引き締まる思いであり、今回の受賞はこの研究にかかわった全ての先生方に対する評価であると考えている。この受賞の栄誉に恥じないように今後も精一杯努力していく所存である。」と受賞の喜びと今後の抱負を述べられました。

竹田誠氏 ご夫妻 推薦者 倉田毅氏

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研究助成金を受けられた先生方

 また、国立病院機構東京医療センター臨床研究(感覚器)センター 研究員の務台英樹氏より研究助成金受贈者を代表して、「私が今回助成をいただいた研究は難聴の遺伝子検査の診断率をより高め、また包括的な検査をする研究である。また今回、私と共に受贈されました先生方の研究内容は、基礎から公衆衛生、疫学に至るまで、公衆衛生と臨床検査と非常に幅広い分野に亘っており、各々の研究に対する真摯な姿勢、毎日の努力が評価されたものと一同大変喜ばしく、誇らしく思っている。また当然結果を期待されているので、それについても身の引き締まる思いである。今回の受贈を糧に、研究に一層精進し、臨床検査・公衆衛生検査の発展に貢献して参りたい。」と受賞の喜びと今後の抱負を述べられました。


(後列左より)豊永安洋、西川真子、保科斉生、藤原亨、務台英樹、吉野優樹(敬称略)
(前列左より)青木弘太郎、宇宿弘輝、菊地良介、後藤恭宏、阪口義彦、平良雅克 の各氏

宮地勇人理事 研究助成金選考経過説明 務台英樹氏 受贈者代表挨拶

 謝辞の後、竹田誠氏による受賞テーマの「急性呼吸器感染症ウイルスの病原性発現ならびに制御に関する研究」についての受賞記念講演があり、研究内容を解りやすく説明していただきました。

 最後に本財団黒住忠夫理事より閉会の挨拶があり「竹田氏には心よりお慶び申し上げ、研究助成金受贈者の方々にはこの助成金を有効に使っていただき、先生方の研究が更に進展されることを期待している。」と述べられました。


黒住忠夫理事 閉会の挨拶

 引き続き、受賞の先生方を囲んでの祝賀会に移り、本財団の北川定謙理事のお祝いの言葉と乾杯で始まり、盛会のうちに散会となりました。

北川定謙理事 お祝いの言葉と乾杯のご発声 祝賀会風景

(事務局 小澤 宏和)

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