小島三郎記念技術賞・福見秀雄賞
2006年度
第41回小島三郎記念技術賞並びに第25回福見秀雄賞贈呈式が5月26日(金)午後2時より、野口英世記念館にて開催されました。

式典は中谷林太郎財団理事長の開会の挨拶で始まり、同理事長より選考経過の報告がされ、受賞された各氏に賞状、記念品(小島三郎記念技術賞:記念盾、福見秀雄賞:記念メダル)及び副賞が贈呈されました。<br>
なお、中谷理事長の挨拶の中で「当財団では、40年に亘る顕彰事業及び助成事業の集大成として三部の記念誌を刊行した。そのうち二部は昨年刊行された『研究助成金贈呈者研究業績集(第1回〜第10回)』と『小島三郎記念文化賞受賞記念論文集(第1回〜第40回)』で、残りの一部が今回漸く刊行にこぎつけた『小島三郎記念技術賞・福見秀雄賞受賞業績集』で、本書には第1回から第40回までの小島三郎記念技術賞、第1回から第24回までの福見秀雄賞の受賞業績が纏められている。」との紹介があった。
小島三郎記念技術賞受賞者 :
写真左より 柏瀬貢一氏、國島伸治氏、常岡英弘氏、羽山正義氏、本間桂子氏
贈呈後、小島三郎記念技術賞受賞者を代表して常岡英弘氏(山口大学医学部保健学科検査技術学専攻教授・前 山口厚生連長門総合病院研究検査科技師長)が挨拶され「私たちは、永年臨床検査領域において、検査方法、術式の考案・改良並びに検査技術の普及・発展に尽力してきたが、本日、このような栄えある賞の受賞という形で認められたことはこの上ない栄誉の極みである。バルトネラ・ヘンセラ感染症の研究を通じ、我々臨床検査技師は臨床医との連携が不可欠であること、一線病院でも、一線病院で働く検査技師であっても、一つのきっかけで限りない研究へと進展し得ること、また蛍光顕微鏡など身近な検査機器であっても、新たな診断法の開発が望めること、など数々の貴重な体験をした。更には、これらの研究成果が診断・治療に貢献し疫学的領域へと展開したことに、検査技師としての大きな誇りと喜びを感じた。我々も検査技師である限り、検査のプロとしての誇りを持ち続けることができるよう、自分自身も一層努力したい。本日、この感激を明日からの更なる検査技術の開発・研究の大きな励みとし、今後、一人でも多くの活力ある若者を育成するよう微力ながら貢献したい。」と受賞の喜びとこれからの抱負を述べられました。
また、福見秀雄賞受賞者を代表して挨拶された土井久平氏(石垣クリニック臨床検査室・前 県西部浜松医療センター診療技術科長)は「私共は、臨床検査に携わってきた者として、福見秀雄賞の栄誉に浴することはこの上ない名誉と誇りである。私たちは、それぞれの検査分野の第一線で活躍することができ、地域医療に貢献し、また、後進の指導・教育とともに臨床医との連携プレーのもと、各疾患の早期診断、治療並びに臨床検査を確立するために頑張ってきた。定年退職後は、今までの経験を活かし、ODA、JICAによる細胞診専門家として、カザフスタン共和国においてセミパラチンスク地域医療支援の一員としてパパニコロウ染色による細胞診診断技術の指導を5年間に亘り携わり、33名のパパニコロウ染色による細胞診の診断員を養成することができた。この福見秀雄賞の受賞を励みに、更なる新たな知識を吸収し、地域医療、また海外での医療に役立てていきたい。」と受賞の喜びとこれからの抱負を述べられました。
福見秀雄賞受賞者 : 写真左より 亀井喜恵子氏、川西 孝氏、高橋綾子氏、土井久平氏、森井卓郎氏
また、特別講演として理化学研究所感染症研究ネットワーク支援センター長の永井美之先生より「東アジアにおける感染症と『研究拠点形成プログラム(文部科学省)』について」と題して講演があり、「1994年にオーストラリアは3つの感染症に見舞われたが、その原因となったのがいずれも自然宿主として有名なフライングフォックスという大コウモリであったことからオーストラリアンハットトリックと言われている。また1998年から99年にかけてマレーシアのニパという村で発生し105名が死亡したニパウイルス感染症もフルーツバットというコウモリが持ち込み豚を介してヒトに感染したものだった。SARSが香港のホテルで大量発生したのは9階に宿泊していたSARS患者の嘔吐物を同フロア担当従業員が掃除した際、掃除道具を介して同階の他の部屋にも拡散させてしまったのが原因であった。また、SARS患者で見逃せないものに免疫抑制剤長期大量使用に伴う骨粗鬆症などの後遺症や肺の繊維化がある。高病原性鳥インフルエンザのような強毒株を持つものと通常のインフルエンザのような弱毒株を持つものでは侵入するときの細胞膜とウイルスエンベロープが融合し切断が起こる活性部位におけるアルギニン等塩基性アミノ酸の数に違いが見られ、弱毒株の場合は1つしか見られないのに対し強毒株の場合は複数の塩基性アミノ酸が見られる。海外の感染症の実態把握にはオックスフォード大学のベトナム拠点のように海外に研究拠点を設ける必要がある。遅まきながら我が国でも大阪大学がタイ、長崎大学がベトナムにという風に、ここに常駐してオックスフォード大学的に拠点を作って、それを統括して全体的に進めようということで我々の感染症研究ネットワーク支援センターが昨年できた。」とエピソードを交え興味深いお話をしていただきました。
贈呈式の後、受賞された先生方を囲んで、日本臨床衛生検査技師会小沼利光副会長のお祝いの言葉と乾杯の音頭で祝賀会に移り、最後に元・日本臨床衛生検査技師会会長佐藤乙一氏より受賞者へ祝辞と激励のことばをいただき、和やかなうちに散会となりました。
(事務局 岡田 護)
![]() |
祝賀会風景 |






