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小島三郎記念技術賞・福見秀雄賞

2011年度

 第46回小島三郎記念技術賞並びに第30回福見秀雄賞の贈呈式が、去る5月20日(金)午後2時より春の贈呈式としては、初めて東京會舘において開催されました。

 式典は中谷林太郎財団理事長の開会の挨拶で始まり、同理事長より小島三郎先生、福見秀雄両先生の逸話を交えた略歴の紹介の後、選考経過の報告がされ、受賞された各氏に賞状、記念品(小島三郎記念技術賞:記念盾、福見秀雄賞:記念メダル)及び副賞が贈呈されました。

小島三郎記念技術賞受賞者 :
写真左より 岡田 茂治氏、須貝 幸子氏、藤田 和博氏、藤原 孝記氏、山崎 浩和氏

 贈呈後、小島三郎記念技術賞受賞者を代表して須貝幸子氏(公益財団法人 がん研有明病院 遺伝子診断部 臨床検査技師)が挨拶され「この賞は、私たち臨床検査に携わるものにとって大変名誉ある賞であり受賞者一同大きな喜びをかみしめている。分子生物学、遺伝子工学技術は、1980年代より飛躍的に向上してきた。しかし、当時は検査部で“がんの遺伝子検査”は出来るはずがないと言われてきたが、癌研究所でご指導くださる先生に巡り会い学ぶことができ、数年後、癌研病院に遺伝子診断の検査室を作っていただいた。努力して準備をしていれば希望は叶うものと実感した。今後も小島三郎記念技術賞の栄誉に恥じないよう仕事や研究に精進するとともに、後進の育成に努力していきたい。」と受賞の喜びとこれからの抱負を述べられました。

 また、福見秀雄賞受賞者を代表して挨拶された下瀬洋一氏(前 松江赤十字病院 検査技師長)は「本日は思いもかけずこの賞の栄誉に浴することになり、臨床検査に携わってきた者にとって、この上ない名誉と感激するとともに感謝申し上げる。
この度の東日本大震災における医療救援活動において、臨床検査技師の活動に関する報道がほとんどないのは寂しい限りである。これからは、臨床検査技師が血液測定や感染症検査の検体採取など直接患者さんに接し医療の最前線で活躍できるよう環境整備と技師教育が必要だと思われる。私は、これから皆さんと協力して後進の指導に微力ながら努力していきたい。」と受賞の喜びと今後への決意を述べられました。

福見秀雄賞受賞者 : 写真左より 天谷 初夫氏、神白 和正氏、熊谷 俊子氏、下瀬 洋一氏、高畠 外美子氏

  また、特別講演として東海大学医学部 基盤診療学系臨床検査学 教授の宮地 勇人先生による「遺伝子関連検査の標準化と展望」と題した講演がありました。
今回のご講演は、「DNA検査は非常に力強い能力を持っていると同時に、その人の人生を変えてしまうという威力を持っており、“精度の保証”が重要であることが今日のメッセージである。遺伝子関連検査についての現状は、研究から臨床への展開が非常に速く、治療薬の選択、効果予測に用いる遺伝子検査が保険診療で利用可能となり、その利用は急速に拡大している。一方で、医療従事者がこの方面で不慣れという問題点があり、国内のどの施設でも良質な検査が行われるために標準化への取り組みが必要になる。そのため、OECD(経済協力開発機構)のガイドライン等に対して、日本版ベストプラクティスガイドラインと検体品質管理マニュアルを作成した。また、遺伝子分析化学認定士制度を立ち上げ、この第1回合格者が今日の小島三郎記念技術賞受賞者の須貝先生と藤田先生であることも非常に嬉しい贈呈式だった。」と、菅谷さんの足利事件、ユッケ食中毒事件等、最新の話題を盛り込みながら、まさに時宜にかなったご講演でした。

特別講演
東海大学医学部 基盤診療学系臨床検査学 教授
宮地 勇人先生
黒住忠夫財団常務理事

  贈呈式の閉会にあたり、栄研化学株式会社取締役会長黒住忠夫財団常務理事より受賞者並びに家族の方々へのお祝いのことばが述べられ「受賞された先生方の平素のご努力が高く評価されて本日の受賞になった訳で、この受賞を契機に、さらに研究活動が発展され医療に貢献されることを心から祈念している。また、公益財団法人の認定を受けたので公益性を十分に念頭に置きながら財団の活動を進めて参る所存である。」と挨拶がありました。

 贈呈式の後、受賞された先生方を囲んで、日本臨床衛生検査技師会 田鉄也会長のお祝いの言葉と乾杯の音頭で祝賀会に移り、最後に元日本臨床衛生検査技師会会長 下杉彰男氏より受賞者へ祝辞と激励のことばをいただき、和やかなうちに散会となりました。
(事務局 佐藤 貴司)

祝賀会風景

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